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梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』角川書店 2004/05/01 20:03 

『本の旅人』で連載された「村田エフェンディ滞土緑」もついに単行本化。連載も読んでたので、だいたいの感じはわかってるんだけど、1ヶ月に1回の連載と一気に読むのはやはり違うかも。読むのは2度目(といっても連載時とはちょっと違うところもあるけど)のせいか、読みやすかった。うん、やっぱり本は自分のペースで読むに限る。装丁と挿絵も良い感じ。…ただ、帯の文には若干違和感が…。

気になった箇所もちょこちょこあったけど、やっぱり抜き出すのはここか。←連載時にも抜き出した記憶が…。

−人の世は成熟し退廃する、それを繰り返してゆくだけなのだろうかと。
−「ええ、いつまでも繰り返すでしょう。でもその度に、新しい何かが生まれる。それがまた滅びるにしても、少しずつ少しずつ、その型も変化してゆくでしょう。全く同じように見えていてもその中で何かが消え去り何かが生まれている。そうでなければ何故繰り返すのでしょう。繰り返す余地があるからです。人は過ちを繰り返す。繰り返すことで何度も何度も学ばねばならない。人が繰り返さなくなったとき、それは全ての終焉です(p.93)。

この箇所、僕の歴史観にかなり近いので(というかほとんど同じ)。

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北村薫『朝霧』創元推理文庫 2004/05/01 19:58 

「円紫さんと私シリーズ」が文庫化されてたので即読み。うーん、やっぱりいいよねぇ。出版社に就職したせいか、文学(に関する)ミステリーの様相が強くなってきたけど、これはこれでいい。人が死ぬよりはずっといい。

…この終わり方からして気になるのは次回作か。「解説」の最後にあるとおりの気分。

「どうやら次回作で、私たちは<私>の恋愛譚を繙くことになりそうである。その推理は私をなごませ、そしてちょっぴり切なくさせる。」

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佐藤多佳子『しゃべれども しゃべれども』新潮文庫 2004/04/18 20:07 

やっぱりこの作品はいい。以前読み返した時は、『黄色い目の魚』の方がひょっとしたら好きになるかも、という感触もあったけど、やっぱり佐藤作品No.1は現時点で『しゃべれども しゃべれども』。話の内容はそれなりにシビアだと思うけど、作品全体に漂うなんともいえぬほんわかした感じがすごく心地よい。

今回は気分的にここか。

「今の自分をセコだと思うのは、まあ良かった。これからの自分が、どこまでいっても、やはりセコかもしれない、才能もセンスもなくて永久に上達しないと考えるのは恐ろしかった。心臓のあたりが痺れるように冷たくなる。何か保証のようなものが欲しい。俺は大丈夫なのだと、きっとうまくなる、きっと売れるという自信のかけらでもいい、欲しい。」(p.173)

あと好きなのは、p.202、p.220、p.291のあたり。

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佐藤多佳子『黄色い目の魚』新潮社 2004/04/10 21:26 

昨日の「ひとりごと」と連動して、今日は『黄色い目の魚』を読んでみた。やっぱり、しんとした雰囲気と芯のある、素敵な恋愛小説。良いね。

…『しゃべれども しゃべれども』『黄色い目の魚』『イグアナくんのおじゃまな毎日』『神様がくれた指』の作者が同じだとはやっぱり思えない。1作ごとに、雰囲気ががらっと変わるんだよな、この人。がらっと変わるのに、全部好き、というのもすごい話だ。

佐藤多佳子コーナーを作りたいとは前から思ってるけど、この人の作品紹介は正直、難しい…。


「キライばかりの心の中に、こんなに大きな『好き』があったのか。まるでマグマみたいに熱くてどろどろしていて恐ろしげだけど。雲みたいにつかみどころがなくて、しっかり足を乗せて立つ場所にはならないけど。」(p.111)

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Npqgxysv : CwtCccjuGgDX 2016/02/15 17:40



森絵都『DIVE!! 1〜4』講談社 2004/04/08 19:35 

この本は読み出すと、やっぱりやめられない。どうしてもやめられず、全4巻、一気に読んでしまった…。スポ根&キャラ萌え&ストーリー萌えで、漫画のノリだよなあ、やっぱり。おもしろさが抜群なのは間違いなし。

某サイトではキャラの人気投票なんてあるし。僕が投票するとしたら、富士谷敬介(親父の方ね)かなあ。←さすがおっさん。

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森絵都『つきのふね』講談社 2004/04/07 19:45 

やべ、泣いちゃった…。初読時はそこまでいかなかったのに、読み返しで泣いちゃうのも珍しい。…というかそもそも、僕が本を読んで泣くこと自体が珍しい。今日は、たまたまツボをつかれてしまったようだ。不覚。

「人より壊れやすい心にうまれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時にうまれもってるもんなんだよ」(p.179)

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森絵都『永遠の出口』集英社 2004/04/06 20:05 

そろそろ新しい本に挑戦してみようかと思ったけど、何かと慌ただしい時期だし、気持ちを動揺させられても困る時期なので、読み返しで。

この作品を読むのは2回目かな。初読時もかなり感触良かったけど、今回読み返してさらにお気に入り度UP↑。これはかなり良いと思う。小学生から高校生までの気持ちを思い出したい時にはぴったり。あの頃には直視できなかったことが、そろそろ出来るようになってきたのだろうか、僕は??? …なんて思ったり。

「来年のこと考えるのって、キツいよな。十年後ならいいんだよ。どんなにでっかい夢だって、十年後なら座りがいいっていうかさ。でも来年は近すぎて、望遠鏡で自分のニキビでも覗いてる気分になるっていうか……」(p.280)

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梨木香歩「群れの境界から(ぐるりのこと6)」 2004/04/05 21:11 

梨木香歩「群れの境界から(ぐるりのこと6)」『考える人』2004年春号、新潮社

ここんとこ、けっこう批判的な内容が続いているような…。道理に合わない批判じゃないし、批判対象の立場も考えてるのもよくわかるので、気分が悪くなったりは全然しないけど。

なんか「ぐるりのこと」って「レバノン杉の枝の上には」と裏表のような気がしてきた。…それだけに「レバノン杉の枝の上には」の続きも早く読みたい…。

「一人の人間を神格化して崇める、という行為には、自分で考える努力を放棄し、判断し決定する責任を他に押しつけた怠惰のにおいがする。どんな人間にだって苦悩し迷いも過ちもあったはずで、その試行錯誤の過程を等身大の同じ人間として受け入れたい」(p.88)

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梨木香歩『春になったら苺を摘みに』新潮社 2004/04/03 23:37 

再読(2度目?)。

やっぱり「子ども部屋」のあたりが僕は好き(たぶん初めて読んだ時もそうだったはず。←未検索)。

「観念的な言葉遊びはもうたくさんだった。文字の内側に入り込んで体験したかった」(p.90)

「二つ以上の相反する方向性を保つということは、案外一人の存在をきちんと安定させていくには有効な方法なのかもしれなかった。コツさえ見いだせば」(p.92)

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梨木香歩『りかさん』新潮文庫 2004/03/29 16:08 

「自分はこんなもの、と、ここで高みから悟って自分を受け入れ、達観してはいけないとも思う。今、この状態でその作業にかかれば、それは逃げだ。許せない思いをずっと抱え続けねばならないとも思う」(p.244)。

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梨木香歩『からくりからくさ』新潮文庫 2004/03/18 19:08 

さて、この作品、何度目の読み返しになるんだろう? オフ会で『からくりからくさ』ゆかりの地、彦根城に行くことになってるので、その前に読み返しておこうかと思い、手にとってみた。

さすがに繰り返し読んでるせいか、今回はゆったり読めた。←いつもは奔流に流されるように、一気に読んでしまってたので……。それに、本を読む呼吸が、自分だけの呼吸じゃないような気もした。ここのとこ、このサイトにわりと人が集まってくれるようになって、いろんな人から梨木作品の感想を聞いていたせいか、読み進めてるうちに、「あれ?自分だけじゃない視点もはいってる?」なんて感じたり。たまにはこういうのもいいよね。特に繰り返し読んでる作品に関しては。

ここ2年間、某看護学校の初回の授業は『からくりからくさ』を絡めつつ話をしてるんだけど、今年の初回は『からくりからくさ』の時間配分を少し増やしてみようかと検討中。初回の授業のテーマは「伝えること」なので(笑)。

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D.W.ジョーンズ『九年目の魔法』創元推理文庫 2004/03/10 20:56 

今回の旅のおともは、この作品。…なんだかんだ言いながら、この人の作品続けて読んでるなあ。しっとりとした感じがする作品で、これまで読んだD.W.ジョーンズの作品の中ではこれが一番好きかも。雰囲気が好き。

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D.W.ジョーンズ『グリフィンの年』創元推理文庫 2004/03/08 20:13 

正直、これはかなり楽しんで読み進めてしまった。学園モノ好きなのかなあ>僕。おもしろかった。

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太田忠司『大怪樹』講談社ノベルス 2004/03/03 20:26 

新宿少年探偵団シリーズの新作が出てると聞いたので、即ゲットぉ。いつもどおりおもろいのはおもろいんだけど、これまた微妙なところで終わるなあ。いいとこでCM行かれた気分だ。ま、次作でラストらしいので、ラストに向けて、という感じだからしゃあないだろうけど。早く最終巻出ないかなあ〜。

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D.W.ジョーンズ『ダークホルムの闇の君』創元推理文庫 2004/03/02 20:20 

昨日、読み終わったけど、書くの忘れてた…(>_<) ボケボケだ。

前から聞いてたけど、やっぱり「荻原規子推薦!」と帯に書いてあると買っちゃうよ…。

…僕はこのトーンのファンタジーはあまり好きじゃないかもしんない。ふつうの冒険ファンタジーの方が好きかも…。ライラの冒険とか、とかとか。

とはいっても、この作品もそれなりに楽しんだんですけどね。その証拠に続編もきっちり買い足してあるし…。

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梨木香歩『エンジェル エンジェル エンジェル』新潮文庫 2004/02/27 19:57 

明日発売日の『エンジェル…』だけど、今日手に入ったのでさっそく読んでみた。

…げ、げげげ。すげー。単行本とはまったく別物になってる。「作家自作を語る」で梨木さんが言ってる通りだ。よくぞここまで、と思うとともに、仕掛けのせいで作品の雰囲気までがらっと変わってる。そしてラストも少し変わってる。だから、読後感も文庫版と単行本ではまた違う感じ。

これ、どっちがいいとか言えるレベルじゃない。全然違う。そして、確かにどっちもありだなあと思える。文章自体はほとんど変わっていないのに、がらっと変わったなあ。

うーん、文庫版は文庫版でかなりいい味わいがある。…けど、単行本のラストの詩がお気に入りの僕は、単行本の方がどっちかというと好みかなあ(現時点では)。

単行本を読んだ人は是非文庫版も読んでください。で、文庫版を今回初めて読んだ人は是非単行本も読んでください。2つあわせて楽しまないと損しますよ(笑)。

…しかし、参ったなあ。いつもは、文庫化されたら単行本は本棚に飾っておいて、以後、読み返すのは文庫になるんだけど(文庫の方が持ち歩きやすいので)、この作品に関しては単行本を封印できないなあ。参った参った(笑)。

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ふみづき : 単行本と違うものになってるんですか?知らなかった〜。いつか単行本で買うつもりで素通りしました。文庫ならこちら(地元)でも手に入りますね♪ 2004/03/01 17:13
むらさき : あら、お久しぶりです。どこが違うのかは、口では説明できないんですけど、明らかに違います(笑)。 2004/03/01 20:57
Izumi : 私も単行本とは別物とは初めて知りました。これは読まなくては!情報ありがとうございます。 2004/03/07 23:12



フィリップ・プルマン『神秘の探検(上)(下)』新潮文庫 2004/02/22 20:23 

や、やばい。やっぱり止まらない…。ライラの冒険シリーズ、2作目も一気に読んでしまった。ふつーにおもしろいよ、これ。完結編の3作目もそのうち文庫化されるみたいなのでそれまで我慢、我慢。本当にがまんできるかどうかは自信なし…。

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フィリップ・プルマン『黄金の羅針盤(上)(下)』新潮文庫 2004/02/20 19:50 

寝る前に5分だけ、と思って読み始めたのはいいけど、選んだ本が悪かった。5分じゃ閉じれない。結局1時間以上読みふけってしまった…。

うー、忙しい時に、やめられないとまらない種類の本を読んだらあかんよなあ、と思いつつ、さらに続編を買ってきてしまった。

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池澤夏樹『マシアス・ギリの失脚』新潮文庫 2004/02/11 18:56 

読み終えるのにけっこう時間かかっちゃったな。ま、600頁を超す長編だからしかたない部分もあるけど…。まとまった時間をとってなかなか読まなかったから、時間かかっちゃったな。

まあ、長編はそれだけで好きなんだけど、ちょーっとばかし読むのがつらかった部分も…。後半はわりとすっと読めたんだけど。
所々にそれなりに気に入る表現はあったけど…読み返すかといえば、うーん…て感じかも…。

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梨木香歩「レバノン杉の枝の上には」『風の旅人 6号』pp.59-66 2004/02/02 19:37 

で、梨木さんの連載。

この作品の雰囲気はすごく好き。とても心地よい。12月に初回分を読んだ時もそうだったけど、早く続きが読みたい気分になる。

「人が心の奥底に蠢く何かを抱えて、安定して生きてゆくためには、内側のそれと響き合う何かを外側に設定してバランスをととのえる必要があったのです。」(p.65)

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梨木香歩『家守綺譚』新潮社 2004/01/30 20:37 

さて、待望の梨木さんの長編。

今、新潮社の新刊情報を見ると、書評が追加されてますね。この物語の状況設定はこの書評を見るとわかると思います。

僕は、この本の帯の文章を抜き出しておきましょうか。

「たとえばたとえば。サルスベリの木に惚れられたり。床の間の掛軸から亡友の訪問を受けたり。飼い犬は河童と懇意になったり。白木蓮がタツノオトシゴを孕んだり。庭のはずれにマリア様がお出ましになったり。散りぎわの桜が暇乞いに来たり。と、いった次第の本書は、四季おりおりの天地自然の『気』たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の『私』と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。」

…ま、だいたいこんな感じで。「おいおい」と軽くつっこみながら、微笑んだり、にやっとしたりしながら読める本です。このあたりのトーンは『本の旅人』に連載してた「村田エフェンディ滞土録」と同じ。『家守綺譚』にも村田君が手紙を通じてちょこちょこ顔を出してたし、「村田エフェンディ滞土録」が出版されれば姉妹篇として楽しめることでしょう。なんか「村田エフェンディ滞土録」を無性に読み返したくなってきたけど、出版されるまで我慢しようか…?

僕は「村田エフェンディ滞土録」を読んでたので男性が主人公の梨木さんの作品に免疫があったけど、そうじゃない人も多いんじゃないかなあ。文庫になってる4冊は全て女性が主人公だし。ってか、梨木さんの単行本で主人公が男性なのは、この作品が初めてでは? 『丹生都比売』の主人公も男だけど、まあ、彼は例外ということで(笑)

男性が主人公なので、これまでの作品とは少し風情が違います。他の梨木ファンはこれをどう感じるのか興味津々。 …ま、この作品も読んでると、「あー梨木さんだなあ」と思えるところがたくさんあるわけですが。

一気に読むんじゃなくて、日なたぼっこでもしながら、ゆっくり味わいたい本だと思います。良い作品だと思う。とにかく「村田エフェンディ滞土録」の出版が待ち遠しくなってきました。

「硝子戸をガタガタ揺する木枯らしの声を聞くだに、成すべき事を成さぬ己れの怠惰が後ろめたいが、寝床の中にいて、この世の彼方此方に思いを遣るのは、これもまた立派な精神活動であるからして、肉体労働の向こうを張って、(知的とは云えぬにしても)精神労働者とぐらいは自ら称してもいいのではないかと開き直っている。進化か退化か」(p.105)

…同種の自己弁護をすることは僕にもあるわけですが、うまいこと言うなあ>綿貫

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池澤夏樹『スティル・ライフ』中公文庫 2004/01/27 20:07 

池澤作品を初めて読んでみた。短めの作品だし、まだなんとも言えないけど、雰囲気としてはもうちょっと読んでみようかと思わされる感じだったので、続けて池澤作品を読んでみようかと思ってる。『マシアス・ギリの失脚』を読む予定。

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高里椎奈『お伽話のように ドルチェ・ヴィスタ』講談社ノベルス 2004/01/18 18:49 

この本には、3話収められてるんだけど、第2話「幻日、残照」は出色のデキだと思う。この第2話は間違いなくイイ。…初めて読んだときはどう思ったかなあと思って、読書日記をさかのぼってみると、「第2話がイイ」と書いてあった。…僕も変化に乏しいなあ。と言いながら、第3話から引用。

「運命を信じたいのはやらない理由が欲しいからだ。運命を口実にして、手が届かない願望を諦める為だ。いくら不満を唱えても、実際に動く度胸などありはしない。自己防衛手段としての無気力」(p.212)
「この世に、幸せになる為の努力を惜しむものがいるだろうか。努力が必ず報われる訳ではないが、行動を起こさなければ決して成功は有り得ない。自分で思う限りの手を尽くし、それでも失敗してしまったら、その時こそ運命だったと諦めれば良いのだと…」(p.213)

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梨木作品×2 2004/01/15 16:08 

梨木香歩「目的に向かう(ぐるりのこと7)」『考える人』2004年冬号、新潮社、pp.88-95
まず「ぐるりのこと」。帰りの電車の中で読み始めて一瞬焦った。どこかで読んだことのある内容だったので、もしや古い号を買ってしまったか、と。でも、12月末発売号で間違いなく、なんでだろう、と考えると謎は解けた。ちゃんがめの母さんから聞いた昨秋の講演会の内容とリンクしてる部分があるんだ。←伊賀上野の話&総合的な学習の話。

今回の話の内容は、目的地への最短距離を求めるのが必ずしもいいことではなく、立ち止まること、時間をかけることも大切、という感じ。これ、比較的、僕の得意分野で、自分では合格点に達してる内容だったので(あくまでも自己評価)、落ち着いて読めた(これまで耳が痛い内容も多かったので^^;)。僕は立ち止まり過ぎて、動かないのが欠点でもあるわけですが…。

犬の話が出てたのも嬉しく、かつての愛犬3人を思い出しながら読んで…。ウチのバカ犬どももそれぞれ個性的だったからなあ、今でも思い出すと頬が緩む。…中には自分が人間よりえらいと思ってた奴もいますが、実際あいつは人間よりえらかったのでしかたがない(笑)。


梨木香歩(絵・出久根育)『ワニ』理論社
絵本シリーズの4作目。…こりゃまた、食って食われての激しい話。理論社HPの作品紹介に「そのワニは傲慢でジャングル一の嫌われ者。仲間を食べ兄弟さえ食べ生きてきた。そしてある日悲劇的とも言える最期を迎える。自己中心と他者尊重の境界を問う一冊。密度ある絵で」とあるので、予想はしてたけど…。仲間意識のネガティブな側面はうまく出てると思う。

「自分の仲間だけは喰ってはいかんというのは、結局とんでもない自己中心的な考えと思うんだがどうだろう。自分たちのことしか考えないなんて」

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高里椎奈『それでも君が ドルチェ・ヴィスタ』講談社ノベルス 2004/01/13 22:18 

なんとなくファンタジーっぽいのが読みたい気分だったので、『それでも君が』を読み返し。

全体的な雰囲気とか、言葉の端々の感じとかはけっこう好み。…でも、まだ評価が難しいなあ。むっちゃ気に入るというまではいかないかなあ。

初読時の感触は、2作目の『お伽話のように』の方が良かったような気がするので、次も読んでみよう。

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宮本輝『睡蓮の長いまどろみ(上)(下)』文春文庫 2004/01/07 20:06 

これ、昨日読み終えてたんだけど、書くの忘れてた^^;

宮本輝はしばらく読んでなかったので、最近はどんな感じなのかなーと思って。良くも悪くも宮本輝だなと思う作品。悪くはないけど、読み返したいとは思わないって感じ。

「与えられた場所から始めなくて、どこから始めるんだよ」(下巻p.142)

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梨木香歩『裏庭』新潮文庫 2004/01/04 23:22 

今年最初の本は、おなじみ『裏庭』。…ほんとは年末から数十頁読み始めてた宮本輝の新刊を続けて読んでたんだけど、新年の開幕には相応しくなさそうな雰囲気がしてきたので、いったんやめて、『裏庭』に変更。

今回は気負わずに自然体で読めたような気がする。文章がすっとそのまま入ってくる感じで心地よかった。どうやらちょうど良い時期だった模様。

今回、読んでて、好きなシーンベスト4は…

1.徹夫と純の再会(p.293〜)
2.ラストシーン(p.363〜)
3.テナシ、銀の手に(p.243〜)
4.レイチェル、傷について語る(p.278〜)

…という感じになりますかね。全部、最初に読んだ時から好きなシーンだけど。

同じく、好きな言葉を挙げようかと思ったけど、これは数限りないので、場所を憶えられず、今回は断念。←読み解こうとして読むときはメモしながら読むけど、今回は自然体でふつーに読んでたので。至る所に挿入される印象的な言葉の多さはすごいよね、と改めて思った。例えば…

「もちろん、わしは自分の『好み』でものをいうとるのじゃ。人はみなそうじゃろう。それでなくては一語も発せられんわ」(p.239)

「道がないのだから、ある程度先人の跡を辿るのはやむを得ますまい? 使えるところは使い、使えないところは新しくしていく。何も更地にしなければすべてが始まらないわけではないのですよ」(p.343)

…その他、たくさん。

今回は自然体で読み進めていったんだけど、一つだけ自分なりに理解できればいいなあと思ってたのが、「根の国」の出来事の読み方(これ、今まで自分で納得できる読み方ができてなかったから)。で、今回、なんかわかってきたような気がする。

キーワードは、根の国に行く直前にちゃんとあったのかも。

「テルミィ、勇気と真実だけが、あんたをあんたにする」
「真実が、確実な一つのものでないということは、真実の価値を少しも損ないはしない。もし、真実が一つしかないとしたら、この世界が、こんなに変容することもないだろう」(p.308)

「勇気と真実」が根の国の出来事のキーワードなのかも。特に、確実な一つのもので「ない」真実、が。綾子の話なんてまさにそうだもんね。

…なんでこの言葉を見落としてたんだろう? ま、いいか。

いいね、『裏庭』。今回、読み返してみて、またさらに好きになった。

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D・W・ジョーンズ『わたしが幽霊だった時』創元推理文庫 2003/12/26 21:29 

なかなか話に入り込めずに、読むのに時間がかかってしまった。読み始めてすぐに「あ、今は海外作品よりも日本作品の方が合う気分かも」と思ったし。

でも、話の構成とか、後半の雰囲気はわりと好きなので、読み返せば化けるかもしんない、と思った作品。

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服部まゆみ『この闇と光』角川文庫 2003/12/16 21:40 

服部まゆみは初めて。

これにはやられた。後半(?)の様変わりは思いもよらんかった。一本とられたー。

序盤戦はちょっと少女向けの雰囲気が漂うファンタジーかと思って気軽に読んでたら、痛い目にあった…。視点の変化(強烈!)はおもしろいと思う。

最後まで読んだ後で、もう1回、前半部を読み直すといろいろ見えてきそう。

読み返すことになるでしょうな。近いうちに。

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ゆきの : 良かったです(*^-^*)私は、前半部分で何箇所か「おや?」と違和感を覚えつつも、まぁいいやと流してしまって、後半の展開に大変びっくりさせられた訳なんですが、もしかしてびっくりするのは私だけかも‥むらさきさんだったらあっさり気づくのかもしれない‥ ゆきのさんってこんなのにひっかかるんだぁ‥と呆れられたらどうしよう、と不安に思っておりました。無事むらさきさんも一本とられていらして、安心致しました。^^ 2003/12/22 10:05
むらさき : もちろん、だまされますとも。……ってか、僕ってとっても素直なので、何の疑いもなくあっさりだまされるタイプなのです。えへん。まじでほんまにあっさりひっかかりますぜ。一度読んだだけなので何とも言えませんが、前半と後半のギャップとか、後半の雰囲気は好きなので、よかったです。 2003/12/22 21:28



ハリー・クレッシング『料理人』ハヤカワ文庫 2003/12/10 21:52 

『料理人』を読んでみた。帯に「大きな活字でさらに読みやすくなりました」とあるだけあって、文字が読みやすい。+訳もうまくて、スイスイおもしろく読めた。

中身は…これまた評価は微妙。というか、どう読むべきなのかがさっぱりわからん。解説に「この物語は系列としては『ファウスト』から『レベッカ』にいたる悪魔物のひとつであるが」と書いてあるのを見て、そうか悪魔物とも読めるのかと妙に納得してしまったけど。要再読?

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